身体的拘束を最小化するための指針及び実施割合について(臼杵病院)
2026年6月1日更新
身体的拘束を最小化するための指針及び実績割合について
1. 目的
身体的拘束は、患者の生活の自由を制限することであり、患者の尊厳ある生活を阻むものです。
患者の尊厳と主体性を尊重し、拘束を安易に正当化することなく、職員一人ひとりが身体的・精神的弊害を理解するとともに、
身体的拘束を最小化する体制を整備し、患者の人権を尊重するとともに、当院における医療・看護・介護サービスの充実を図ることを目的とします。
2. 身体的拘束に該当する行為
患者又は他の入院患者の生命又は身体を保護するため、緊急やむを得ない場合の身体的拘束は、
「切迫性」「非代替性」「一時性」の3要素を満たした場合であり、可能な限り実施しないための努力をする必要があります。
当院における身体的拘束とは、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、
一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動や行動を制限することをいいます。
身体的拘束廃止・防止の対象となる具体的な行為には、以下のような行為が挙げられます。
- 独り歩きしないように、車椅子や椅子、ベッドに体幹や四肢を紐等で縛る。
- 転倒しないように、ベッドに体幹や四肢を紐等で縛る。
- 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢を紐等で縛る、又は皮膚を搔きむしらないように手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
- 自分で降りられないように、ベッド柵を囲む。
- 車椅子からずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型拘束帯や腰ベルト等をつける。
- 脱衣やオムツ外しを制限するために、介護着、いわゆるつなぎ服を着せる。
- 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッド等に体幹や四肢を紐等で縛る。
- 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。
ただし、他にも身体拘束に該当する行為があることに注意します。
3. 病院内における身体的拘束発生時の対策について
当院の「医療安全管理指針マニュアル」等によって適切な対応及び対策を行います。
緊急やむを得ない状況が発生し、「身体的拘束」を行う場合は、切迫性、非代替性、一時性の3要素を満たし、以下の手順により実施します。
- 他の代替策を検討する。
- 実施にあたっては、必要最小限の方法、時間、期間、実施方法の適正、安全性、経過確認の方法について検討を行う。事前に速やかに医師に判断を仰ぐ。
- 事前若しくは速やかに、家族等に連絡する。
- 事前若しくは事後速やかに、医師、看護職員並びに多職種が参加するカンファレンスを開催し、「身体的拘束」の理由、治療及び対応方針を確認し、看護計画を立案し介入する。
- 緊急やむを得ず身体的拘束を行う場合には、患者の状態、緊急やむを得ない理由、目的、及び時間を記録する。また、毎日身体拘束の妥当性、解除に向けた検討についてカンファレンスを行い記録する。
- 身体的拘束中は、電子カルテ上で看護指示の身体拘束の観察項目を入力し、原則2時間毎に観察し記録する。4点柵や拘束衣の場合は各勤務帯で観察して記録する。
4. 身体的拘束最小化チームの設置
身体的拘束最小化対策に係る専任の医師は院長、専任の看護職員は医療安全管理者から構成されるチームを設置し、以下のことを検討します。
身体的拘束最小化チームは、医療安全管理委員会、セーフティマネジメント委員会委員長で構成します。
- 患者に対する虐待、身体的拘束等に関する規程、マニュアル等を周知するとともに、活用状況から定期的に見直しを行う。
- 発生した「身体的拘束」の状況、手続き、方法について検討し、適正に行われているかの確認をする。
- 虐待また身体的拘束等の兆候がある場合には慎重に調査し、検討及び対策を講じる。
- 職員向け教育研修の企画・立案・実施。
- 日常的ケアを見直し、入院患者に対して尊重されたケアが行われているか検討する。
- その他必要と認められている事項。
5. 職員研修
- 身体拘束の最小化に関する研修会を年に2回以上開催する。
- 研修会終了後の新規採用者には、日程を決め研修を実施する。
6. 入院患者等に対する当該指針の閲覧
入院患者等に対する当該指針の閲覧については、各階の掲示板に掲示し、周知徹底します。
7. その他身体的拘束の最小化を推進するために必要な基本方針
身体的拘束等を実施しない医療・ケアサービスを提供していくためには、提供に関わる職員全体で以下の点について十分に議論して共通認識をもち、身体拘束等をなくしていくよう取り組む必要があります。
- 事故発生時の法的責任の回避や人員が足りないことを理由に、安易に身体拘束等をしないこと。
- 高齢者や高次脳機能障害を有する患者は転倒しやすく、転倒すれば大ケガになるという先入観だけで、安易に身体的拘束等をしないこと。
- 認知症や認知機能障害を有するということで、安易に身体拘束等をしないこと。
- 医療・看護・介護サービス提供の中で、本当に緊急やむを得ない場合のみ、身体拘束等を必要と判断すること。
身体的拘束最小化の基準に係る実施割合の計算方法
身体的拘束の実施割合は、以下の計算方法により算出しています。
身体的拘束の実施割合 =
直近3カ月間の入院料算定日数のうち、身体的拘束を実施した日数
÷
直近3カ月間の入院料算定日数
当院の身体的拘束最小化に係る実施割合
対象期間:2026年2月1日~2026年4月30日
| 直近3カ月間の入院料算定日数 | 直近3カ月間の入院料算定日数のうち、身体的拘束を実施した日数 | 身体的拘束の実施割合 |
|---|---|---|
| 5,321日 | 246日 | 4.62% |
社会医療法人帰巖会 臼杵病院 院長
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